I love HONDA XR. 前に戻る
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暑い夏の日だった。

京都の夏も暑い。

出発のときは意気揚揚。嬉しさ半分、慣れないバイクと初の長距離で若干の不安。

岡山を過ぎるくらいまで、正直あまり覚えていない。ただ暑かったことだけは間違いない。真夏の2号線、周囲の車の排気ガス、熱気、路面からの照り返し、エンジンの熱。信号待ちで並んだRZ250。路面の熱でタイヤは溶けてしまうのではないかと思えて、じわじわとアクセルを開けた、そんな記憶が懐かしい。

安芸の2号線沿いのサービスで休憩して食事を取った。しばし休憩。そして広島。何時くらいだろう、日が暮れかかってきたところで、関門トンネルの標識。もうすぐ九州だ。取締り中の標識。今考えれば、ずーっと置いてある標識だろう。

気になって免許証を確認しようとした、ウエストバックに無い。もう一度、無い、ジャケットのポケットにも。荷物も全部調べたけど無い。ちょっと前に休憩したサービスまで戻ってみる。ベンチには無い。

途方にくれる。もう既に日が暮れて、時刻は8時を過ぎている。探すか、でもどこを?休憩した場所に戻るのか?電話してみるか?

様子を察したトラックのドライバーが声をかけてくれた。話ができると気が紛れる。私が休憩したと思われるサービスで聞いてくれるという。ありがたい。

仕方ない、疲れたし、そのままベンチに横になって眠ってしまった。

翌朝はすっかり開き直っていた。もうあと少しだし、お金は持ってるし、免許証くらい再発行すりゃいいさ。疲れてるときは、どうも余計なことを考えてしまうもんだ。そう思えばあとは走るだけ、トンネルを過ぎて、九州上陸。

こうして無事に実家まで。

 

後日談。免許は再発行。その後、会社に拾った方が届けてくれていた。その免許証は今も持ってる。


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