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20001.03.17(土) 術後11日目

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てんき:あめ。完全に睡眠不足。隣のベットの人は手術のあとがきつくて、一晩中うなっていたのだ。3時間眠れたかな。こればっかりはどうしようもないけど。2時ぐらいからぜんぜん寝てない。7時過ぎ、看護婦さんから「あら?大丈夫?寝不足ね?」といわれてそのままばてて横になってた。おさんどんしたりしてすぐ疲れてしまうこと、頭痛がして何も気力がなくなってしまうこと。病み上がりという事を自覚する。ああ、昨日先生から「睡眠は十分に」と注意されたばっかりなのに。今日は内臓エコーがあるのでどうせ朝食抜き。おなかがすいてるのもあっていらいらして眠れない。
と、付け替え。E先生が来られた。「今日はお風呂の日だから、お風呂セットにしようか?」と、昨日のカットバンからサランラップみたいなビニールシートにテープとガーゼがくっついているようなのに変わった。水がかかるぐらいは平気なんだそうだ。「もし水が中に入ったら、看護婦さんにガーゼに替えてもらってね」「はい(^^)」 。「テープじゃないところは、そのままでいいんですか?」ときくと、「水があたってもかまいませんよ。早く流したほうが色は取れるからね」ということだった。
10時半過ぎ、検査に呼ばれた。内臓のエコーは初めて。検査の先生がゆっくりゆっくり肝臓のあたりを診ていく。何か引っかかってるのかな?何度もスキャナが往復する。そのうち、「ちょっと待っててくださいね」と別の検査技師さんが呼ばれてきた。何だろう?すごく不安。こちらのモニタの画面は新しくて見やすいそうだ。ふつーのPCのモニタに見える。17インチぐらいかしら。確かに診察室にあるのより、画面がフラットだ。私の位置からでも良く見える。そういえば何か黒い丸いものが・・・でも、これって骨じゃないの?こういうとき、自分の病名が分かっていることが逆に不安を大きくする。まさか転移とか?それとも脂肪肝か?はたまた肝硬変か?それなら肝臓が白くうつるはず。肝臓の陰は黒かったもの。食生活だって、塩抜き、油抜き、肉より魚を心がけているのに。「胃はきれいですねー、あなたは脂肪があんまりないから、とてもよく見えますよー」と先生。子宮のあたりまで診て、エコーは終わり。階段を上って帰ったら、3階で眩暈がして星が散った。階段に座り込んでいたら、看護婦さんから「大丈夫?」と声をかけられる。ふにゃ。睡眠不足が響いてるなぁ。あ、ごはんもたべてないんだった。
お見舞いにいただいたアレンジの花が枯れてきた。部屋が暖かいので、花が持たない。オアシスから全部抜いて、生け直す。ビクトリノックスの万能キーホルダーいついていたハサミが意外に役に立つ。アレンジの花を切るぐらいなんでもない。アレンジは小さくてかわいいものになった。退院まで持つかな。こういうときに持つお花は、カーネーション。蘭科の花。真っ先に枯れるもの。スイートピー。チューリップ。バラは、こまめに手入れすれば案外もつ。「花持ち材」がついてるものもあったけど、茎が茶色になっていた。よしあしのようですね。
同室の患者さんに買い物を頼まれて、1階の売店へ。さすがに今度はエレベーターで行った。ついでにパンを買って食堂で食べる。ふぅ。人心地ついた。と思ったらすぐに昼食。今日はおうどんにマドレーヌにバナナというかなりすごいメニュー。栄養士さん、栄養価だけでなく、食べ合わせも考えてくれー。これはないでしょー。いくらなんでも(ToT)。うどんはおいしかったけど。
昼すぎ、眠いけど寝付けなくて、目をつぶって音楽を聴いていたら夫が来てくれた。今日はリクエストに答えてプリンを持って。わーい。プリン。大好き。スタバのコーヒーも。普通なら1日5杯は飲むコーヒー中毒なので、病院のコーヒー抜きの生活はかなりきつい。コーヒーとちょこっとすすりながら、デイルームで仕事を持ち込んでパソコンを使う夫の横でいろいろおしゃべりする。周りに人がいなければ、まるで家にいるみたい。パソコンに向かってるの時の横顔が大好き。横からちょっかいを出して遊ぶ。へへ。
夕食後、お風呂に入る。「傷口はゴシゴシこすったりしないでね」と看護婦さんに言われていたので、軽くシャワーをかけるだけ。右胸は勢いの弱いシャワーだと、水が当たっているという感覚すらない。触るのがこわくて、石鹸もつけない。流すだけ。髪も自分で洗う。睡眠不足のせいか、星が散っている。
お風呂から上がって、脱衣所の鏡をこわごわ覗き込む。やはり上から見るのとは違う。傷は分かっていたけど、右肩から腋、胸までがつっぱっているのが見える。左に比べると、腋のところの脂肪がごっそりなくて、筋肉の付け根が浮いている。これが腕が伸ばせない原因か。タンクトップはもう着れないな。もともと私は胸の肉が薄くて、力を入れれば首筋の筋がくっきり、腋の肋骨も浮き上がって見えるやせっぽち。間違っても「マシュマロのような」タイプではなかった。それでも、自分の体は嫌いじゃなかった。いま、鏡に映っているものは、まるでホラー映画に出てくる作りかけの人造人間のよう。傷口にまだかさぶたの色がのっているせいで、余計そう見える。やがて傷口の色は消えて、白い線になる。だからこうなっているのは今だけ。分かっている。頭では良く分かっている。人の傷まで見せてもらって、自分では納得しているつもりだった。でも最初に見たときよりもショックは大きい。気分が悪くてめまいがする。フラフラしながらお風呂を出た。
ドレーンの口からまだ液が漏れているようで、テープの中のガーゼの色が変わっていた。気になったのでナースステーションでテープを替えてもらった。
部屋に戻って、眠ろうとするけれど、世界が回転しているようで吐き気がして、頭が痛い。眠れない。昨日も寝てないから、興奮しているのだろうか?涙がとまらなくなる。さっき見た鏡の中の自分の姿もぐるぐる回る。いつも寝る前に聞くCDを聴くけど、眠れない。このCDは「切り札」だった。どうしよう。いつもこのCDの途中で寝てしまって、ヘッドフォンは勝手に外してしまっているぐらいなのに。
夫に電話する。声を聞いたら、余計に涙がとまらなくなった。「安定剤か何かもらって眠りなさい」という声で、テレカ切れ。電話が切れてしまう。
部屋に戻ったら、ちょうど隣の人のガーゼを替えに、看護婦さんがやってきた。涙が止まらなくて恥ずかしいけど、「眠れるように薬をください」といったら、驚いて別の看護婦さんもやってきた。「何か考えちゃった?」と聞かれたけど、言葉がうまくまとまらない。さっきお風呂で鏡を見てとてもショックだったこと。昨日もほとんど寝てないのに、眠れなくてつらいので眠れるように薬が欲しいことをやっとの思いで伝える。
少しして、看護婦さんが薬を持ってきてくれた。すぐに飲む。30分ぐらいして、少しボーっとしてきた。涙が止まる。いつしか眠ってしまってたようだった。
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